本研究では、温度変化等の外部因子で水和状態を可逆的に制御できるイオン液体、およびその重合体であるイオン液体由来高分子電解質を開発し、省エネルギー反応・分離プロセス等への応用に向けた基礎基盤技術を構築することを目的とした。イオン液体と水との相分離挙動をカチオン・アニオンの分子構造の観点から整理し、温和な条件で水と混合・相分離するイオン液体を見出した。これらを適切な架橋剤を用いて重合した膜状の固体材料は、モノマー由来の機能を維持し、膜内の含水率を温度により制御することができた。これを利用して、水中に溶解したタンパク質の濃縮率や水系アルドール反応の転化率を温和な条件で制御できることを見出した。
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