| 研究課題/領域番号 |
16K17955
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
曽川 洋光 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90709297)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | ロタキサン / ニトリル-N-オキシド / ポリロタキサンネットワーク / ロタキサン架橋高分子 / 後架橋 / 超分子 / エラストマー |
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| 研究実績の概要 |
近年、合成技術の進歩とともに、特殊な架橋構造を形成させることで、強靭性を付与した架橋高分子が報告されている。本研究では、高反応性ロタキサン型架橋剤を鍵分子として合成し、汎用高分子（エラストマー）に可動型架橋点構造を簡便且つ効率的に組み込む手法を確立することで、既存高分子に強靱性・伸張性を付与した新素材を創出することを目的としている。
本年度は、クラウンエーテル及び二級アンモニウム塩構造を有するロタキサンの各構成成分にニトリル-N-オキシド基を導入したロタキサン型架橋剤の合成と安定性評価、不飽和結合を有する高分子であるスチレン-ブタジエンゴム(SBR)や天然ゴム(NR)の無触媒架橋反応を行った。ロタキサン型架橋剤はニトリル-N-オキシドの前駆体となるアルデヒド基を有するロタキサンを先立って合成し、その構造を維持したままニトリル-N-オキシドへと変換することにより合成した。また合成した架橋剤は低温下で比較的長い時間安定にその構造を維持できることを明らかとした。SBRの無触媒架橋反応では、架橋剤を0.5 mol%以上添加した場合に各種溶媒に不溶な架橋体が得られた。NRはより多置換の二重結合を主鎖中に有していることから、SBRと比較してその収率は低下したものの、中程度の収率で架橋体が得られた。SBRを用いて得られた架橋体の引張試験を行った結果、架橋前と比較してその破断応力が格段に向上していたことが分かり、可動なロタキサン架橋点構造が効率的に導入されたことが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高反応性部位を有するロタキサン型架橋剤の合成を達成し、無触媒架橋反応により得られたSBR由来の架橋体が優れた力学特性を示したため。
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| 今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の計画通りに研究を展開する。更に多様なポリマーへの導入、可動型架橋点由来の特性評価、架橋剤の安定性向上を図った分子設計等を中心に行っていく予定である。また高反応性官能基として、新たにエポキシ基を導入したロタキサン型架橋剤の合成に取り組む。
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