本研究では、固体NMR法を用い絹フィブロインの紡糸プロセスにおける構造転移の解明を目指した。家蚕液状絹の13C安定同位体ラベルの最適化を行い、13C U-glucoseを混ぜた人工試料を5齢3日目から3日間投与することで最もラベル率の高い液状絹が得られることを明らかにした。固体NMR法のマジック角回転で試料にかかる遠心力により誘起される構造変化を経時的に観測することで、液状絹の構造転移を詳細に評価した結果、まずSilkⅠ成分の運動性が徐々に減少し、ある時点から急激にSilkⅡへの構造転移が起こる2段階の構造転移であることを明らかにした。
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