• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

末端官能基化ポリカチオンの微生物合成とこれを用いた既存材料のポリカチオン化

研究課題

研究課題/領域番号 16K17961
研究機関福井県立大学

研究代表者

牛丸 和乗  福井県立大学, 生物資源学部, 研究員 (10770703)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードε-ポリ-L-リジン / バイオプラスチック / 抗菌化 / 親水化
研究実績の概要

本研究では、微生物が生産するポリアミドの一種であるε-ポリリジン(ε-PL)と既存の高分子材料を独自の手法で組み合わせ、既存高分子材料にε-PLの親水性や抗菌性を付与することで、天然高分子と既存高分子材料から高付加価値の機能材料を創生することを目的としている。本研究で得られる新規材料は汎用高分子の優れた力学物性や加工性とε-PLの親水性や抗菌性を併せ持つ新たな材料となることが期待される。
本研究の申請時点では、用いるε-PL関連物質の安定性が低いことが問題であったため、化合物の取り扱いを容易にするために本年度はより安定なε-PL関連物質の調製と精製法の確立に取り組んだ。化合物の化学的特性を考慮した検討を行った結果、ε-PL関連物質の安定性を向上させることに成功しすると共に、これらの検討を行う中で従来の手法に比べて簡便な精製法の確立にも成功した。現在、この安定化に成功した化合物を大量に調整し、既存高分子との複合化の用意を進めている。
上記に加えて、別の研究課題において見出した「ε-PLとアニオン性分子から成る複合体」を用いることで、ポリプロピレンなどの既存の汎用高分子材料に抗菌能を付与できることを明らかにした。この成果は、本研究で目指している方法とは異なるアプローチではあるものの、ε-PLを用いて既存の汎用高分子材料の高機能化が可能なことを証明した重要な例であると考えている。なお、本成果をまとめたものは既に国際英文誌に採択済みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究において最も重要なε-PL関連物質が不安定な点が本研究の大きな課題であったが、前述の通り、その安定性向上と精製法確立に成功した。これにより来年度以降は汎用高分子との複合化の検討に集中して研究を遂行できるものと考えている。また、今後取り組もうとしている手法とは別の形ではあるものの、ε-PLを用いた汎用高分子材料の高機能化に成功・論文発表できた点は大きな進展といえる。

今後の研究の推進方策

現在、安定化に成功したε-PL関連化合物を大量に調整し、汎用高分子との複合化の準備を進めている。また得られた複合材料の初歩的な物性評価まで取り組むことを研究二年目の目標とする。なお、可能であれば汎用高分子との複合化実験と並行して、本化合物の生産性向上やバリエーション拡充にも取り組みたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Antimicrobial Activity of ε-Poly-l-lysine after Forming a Water-Insoluble Complex with an Anionic Surfactant2017

    • 著者名/発表者名
      Kazunori Ushimaru, Yoshimitsu Hamano, Hajime Katano
    • 雑誌名

      Biomacromolecules

      巻: 18 ページ: 1387-1392

    • DOI

      10.1021/acs.biomac.7b00109

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi