研究課題/領域番号 |
16K17968
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
辻 悦司 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80610443)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 複合酸化物超微粒子 / 逆ミセル法 / アノード酸化 / ポーラス酸化チタン |
研究実績の概要 |
従来法である液相ゲル化法により合成した40 nm程度のブラウンミラーライト(BM)型コバルト系酸化物微粒子を酸化チタン電極上に滴下担持することで、酸素発生助触媒として機能することがわかった。これは貴金属酸化物助触媒である酸化ルテニウムを用いた場合と同程度の触媒活性を示した。 一方、2 nm程度の逆ミセル内でBM型コバルト系酸化物前駆体を合成し、酸化チタン微粒子に担持した後に焼成することで、10 nm以下の超微粒子が合成できることがわかった。酸化チタン微粒子への担持をせずに焼成すると粒径が30 nm程度になった。以上より、超微粒子前駆体を先に酸化チタン微粒子に担持してから焼成することで、焼成時における超微粒子前駆体の酸化チタン表面上での拡散、凝集を抑制できたと考えられる。また原料溶液の化学組成を変化させることで、原料溶液中の元素比通りのBM型コバルト系酸化物超微粒子が合成できることがわかった。超微粒子の粒径は、酸化チタンへの前駆体粒子の担持条件に大きく依存し、逆ミセル溶液内に酸化チタン微粒子を分散させる際に、スターラーによる撹拌ではなく超音波担持をすることで比較的凝集せずに担持できることがわかった。 アノード酸化ポーラス酸化チタン薄膜への担持についても検討を開始した。ポーラス試料に対して、逆ミセル溶液中での超音波担持や逆ミセル溶液のドロップキャストなどの手法を試みたが、これらの手法ではポア内部に十分に担持されないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は、数ナノメートルの逆ミセル内でBM型コバルト系酸化物の前駆体超微粒子を合成し、これをポーラス酸化チタンのポーラス内で焼成することで粒子成長を抑制し、数ナノメートルのBM型コバルト系酸化物超微粒子を合成する予定であった。しかし実際には、ポーラス構造を用いずに酸化チタン微粒子表面上に担持してから焼成するだけで超微粒子化を達成できた。一方、ポーラスへの担持については、担持条件の最適化がまだできておらずやや遅れ気味である。以上のことより、全体的にはおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定とは異なり超微粒子化は既に達成できたが、高効率な光水分解を行うにはやはりポーラス酸化チタン薄膜との複合化が必須であると考えられる。そのため、ポーラス内への担持方法を確立する。また当初の予定では10 nm程度のメソポーラス酸化チタン内への担持を予定していたが、今年度の予備実験において簡単には担持できないと考えられるため、50 nm程度のマクロポーラス酸化チタン内への担持から検討し、その光触媒活性も並行して評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定に比べ、物品の使用額が軽減され予算に余裕が生まれた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度分と合算して、今後必要となる装置使用量や物品、旅費などへと使用する。
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