研究課題
逆ミセル法を利用して酸化チタン微粒子上へブラウンミラーライト(BM)型コバルト系酸化物超微粒子を担持し、その担持量と担持状態の関係を調べた。10 wt%以上では酸化チタン微粒子表面上に凝集体が形成したのに対し、1 wt%で担持することで凝集体の形成が抑制された。また高分解能TEM観察により、担持されている超微粒子1つ1つがBM型構造を有していることを確認し、鉄含有量を増やすと粒子が肥大化しやすいことがわかった。光触媒活性評価では銀イオンを還元反応の犠牲剤に用いた。紫外光照射により生成する酸素発生量を定量した結果、BM型コバルト系酸化物超微粒子を担持することで、酸化チタンのみに比べ約1.5倍の酸素生成を確認した。アノード酸化ポーラス酸化チタン薄膜への担持について、電気泳動担持法を検討した。エタノール-アセトン混合溶媒中にアノード酸化ポーラス酸化チタン薄膜を浸漬させ、逆ミセル法により合成したBM型コバルト系酸化物前駆体を電気泳動担持した。その結果、印加電圧を-2~-10 Vで変化させることで担持量を制御できることがわかった。この際-6 V以下の電圧を印加することで、ポア内部にまでBM型コバルト系酸化物前駆体を担持できることがわかった。また前駆体担持後、600℃での大気中での焼成を30分行うことでBM型コバルト系酸化物超微粒子を担持したポーラス酸化チタン薄膜が得られた。さらに、このようなBM型コバルト系酸化物-酸化チタン複合体では、これらを物理的に混合した場合には見られない特異的な可視光吸収(800 nm以下)を示すことがわかった。
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Electrochemistry
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