研究課題/領域番号 |
16K18001
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
難波江 裕之 東京工業大学, 工学院, 助教 (90757171)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 電磁アクチュエータ / 変位拡大機構 / 駆動時間 |
研究実績の概要 |
本研究では,,微小な動作を大きな動作に変換する手法である変位拡大機構と電磁吸引力を組み合わせることで,微小ギャップでの高い電磁吸引力を長ストロークにて利用することにより,高効率・高速でのサブミリメータオーダーの直動動作が可能な電磁アクチュエータを対象としている.本アクチュエータに関しては,その動作原理の検証及びサブミリメータストロークでの高速往復運動での有用性の実証に成功しているものの,動的解析を元としたパラメータの最適化などの設計手法,また制御手法や変位センシングの手法などの制御システムの確立は十分には行われていない状況である.そのため,未知の部分が多いその特性を解明し,設計や制御手法を確立することで,そのポテンシャルを十分に発揮させる環境を整える必要がある.
本年度は,変位拡大機構一体型電磁アクチュエータに関して,設計パラメータの最適化,並びに設計指針の確立に必要な,動的特性を中心に解析を行った.しかし,動特性の解析に関しては,まず,単純化のため,ばね性を考慮しない状態において,電磁吸引力と変位拡大を組み合わせることによる特性を解析し,各パラメータの影響を検討した.解析では,単純なモデル化を行うことにより一定距離を移動する際の,磁極間ギャップと変位拡大率の関係を求め,一定条件を満たす磁気回路において,変位拡大によって駆動時間を短縮可能であることを示唆する結果が得られた.また,試作機による実験においても,駆動時間の短縮を確認することが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動特性において,変位拡大を行った場合の優位性を解析と実機試験から得ることが出来ており,予想以上の成果を上げることが出来たが,その結果として確認作業のため,バネ性等の他の要因の検討が若干遅れている.しかしながら,応用としてインチワームの制御系に取り掛かっており,全体としては概ね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては,現在検討段階のバネ性等を含む場合の解析をさらにすすめるとともに,制御面について,試作検討を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度作製した試験機作製費用を想定よりも抑えることが出来たため,次年度以降の研究で用いる試験機作製を充実させるため次年度使用とした.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究計画では,アプリケーションとしての制御が含まれるため試作機の充実が,より良い研究成果に結びつく可能性が高い.そのため,試作機や周辺測定系の構築を主目的に据えて使用する.
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