気泡流のボイド率が大きくなるとき,音速の理論予測値と計測値に乖離が生ずるという問題点がある。本研究は,理論・数値予測と実験事実を融合し,この差異の解消を目指し,新学術体系「高濃度・気泡流音響学」の創成を目指すものである。高濃度の条件下で,以下の成果が得られた:(1)実験として,気泡崩壊の観測,圧力分布計測,音速の算出を行った。(2)理論解析として, 散逸性の効果および流速の非一様分布の影響を考慮し,数学モデルを構築した。(3)数値解析として,上記(2)で導いた非線形波動方程式を解き,圧力分布と音速の数値予測を行った。(4)理論・数値解析から得られた結果の多くが実験事実と一致した。
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