研究課題/領域番号 |
16K18027
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 真季 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究機関研究員 (70708510)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | DPF / 粒子状物質 / PM / PM堆積 / 数値計算 |
研究実績の概要 |
昨年と同様に平成29年度に予定していた実験計画を変更し、ディーゼル微粒子フィルター(Diesel Particulate Filter: DPF)の設計を目的とした数値計算の有益性を重視して研究を行った。 ディーゼルエンジンからの排ガスに含まれる粒子状物物質(Particulate Matter: PM)は表面空孔で捕集されることが先行研究からわかり、昨年行った数値計算の結果とも一致した。さらに圧力損失の上昇は表面空孔内のPM堆積量以上に表面空孔形状に依存することがわかった。 昨年度課題にあげた、定量的な評価については、実ハニカム材の形状トレースに基づいたモデル化および低温かつ均一に堆積したPMを酸化させるための触媒の担持位置を決めることによって、DPF全体の設計となるため、触媒とPMの反応メカニズムを解くために本年度は以下のことを行った。 PMをより効果的に酸化させるための触媒担持位置を決定するために、粒子が表面空孔の底から堆積し始めるメカニズムの解明を研究をした。手法は汎用物理シミュレーションソフト(COMSOL MULTIPHYSICS)を使用した。その結果、表面空孔の変化率が変動している箇所から一定になる箇所(先行研究等で表面空孔の底とされているところ)の流速が遅くなり、拡散さえぎり効果が有効になるためPMがDPF壁面に捕集されることがわかった。このPM堆積がきっかけとなり表面空孔への堆積が始まる。この効果を数値計算およびシミュレーションに取り入れ、DPF全体の設計を行うが今後の課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
提案した研究計画のPM堆積について、既存のDPFを用いいるのではなく、現在の要求に合ったDPFの設計指針を立てることが重要と判断し、昨年と同様に研究内容を変更し基礎解明を重視した。 産前産後休暇を取得し研究内容を変更したため、研究成果が論文や学会にて発表できなかったため現在までの進捗状況は予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度と平成29年度に行うことができなかった実験を主に研究を進めていく。主にナノスケールのスス酸化反応挙動の可視化をSEMおよびTEMにて行う。さらにシミュレーションや数値計算を用いて触媒の担持位置の決定を行う。 実験については具体例を以下に示す。 SEMおよびTEMを用いて、触媒とPMの酸化反応経路を明確にする。PM の低温酸化を行うためには触媒を有効的に使用する必要がある。触媒(例えばCeO2 や ZrO2)を担持させた場合、低温酸化か可能であることは分かっている。しかし、この反応は、触媒と PM (固体)と気相での三相界面にて起こることが予想され、理解が容易ではない。そのため、双方固体である PM の固体燃料(スス)と固体触媒の酸化反応に対する評価方法の確立を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
産休を取得したため。 平成30年度は、平成28年度に計画したフィルター壁の流れの可視化を行うとともに、平成28年度および平成29年度に得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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