内燃機関の高熱効率化のために,高圧縮比での運転が必要である.これらの条件下では,衝撃波を伴う異常燃焼が発生しやすくなる.この現象は,自着火と圧力波の相互作用が重要因子となる.しかし,エンジン内で自着火と衝撃波がどのように作用して強烈な異常燃焼に発展するのかについては計測が困難であり,不明な点が多い.本研究では、強い異常燃焼を可視化できるエンジンを開発し,自着火の成長過程を実測した.その結果,局所で生じた自着火の成長速度が音速に達することで,自着火と圧力波の相互作用が起こった結果,自着火と圧力波が互いに成長し,超音速で進行することを明らかにした.つまり,強い異常燃焼のメカニズムを実測し解明した.
|