| 研究課題/領域番号 |
16K18037
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| 研究機関 | 福岡工業大学 |
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研究代表者 |
鞆田 顕章 福岡工業大学, 工学部, 助教 (20582414)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 機械力学・制御 / 振動解析 / 接触解析 / 分子動力学法 / マルチスケール解析 |
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| 研究実績の概要 |
接触部や空隙部のある機械システムでは，振動入力時の応答の増大により重要部品の損傷や騒音が発生することがある．このような機械システムの振動応答の推定にはFEM（有限要素法）が用いられるが，摩擦や衝突現象の高精度な再現が難しく，CAEによる最適設計の障壁となっている．本研究では，上記のような機械システムの振動応答を高精度に推定するため，FEMとMD（分子動力学法）を組み合わせたマルチスケール振動解析法の開発に挑む．具体的には，接触部や空隙部のように微視的なモデリングが必要な領域では個々の原子や分子挙動を追跡できるMDを用いるとともに，連続体要素によるモデリングが可能な領域はFEMを用いて数値解析を行う．さらに，コンピュータの計算能力を考慮した上で高精度な振動解析を実現するため，MDによるモデリングの指針を提案する．
平成29年度においては，大規模解析によるMD領域の拡大について実施した．スーパーコンピュータCRAY XC40（Intel Xeon Phi コプロセッサ4ユニット，京都大学）の共同利用申請を行い，数値解析用プログラムの高速化・大規模化を図った．現在までに，上記のスーパーコンピュータを利用して，256000個の銅原子を配置し，各原子の挙動を問題なく解析できることを確認している．また，上記に加え，九州大学の新スーパーコンピュータシステム（Intel Xeon Gold 6154 18core×2CPU）を4node用いて計算性能を確認したところ，さらに高速に解析できることが判明した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
振動解析用のプログラムについては高速化および大規模化に向けて順調に修正を行うことができた．特に，MD領域の解析プログラムについて，領域分割法および部分ソートの導入により，数値計算時のメインメモリ消費量を平成28年度に構築した初期プログラムよりも大幅に削減することができた．また，上述の修正したプログラムがスーパーコンピュータ上で動作することを確認し，デバッグ等も平成29年度内に完了した．以上より，大規模振動解析用プログラムにおけるMD領域の構築については，当初の予定よりも早く進展していると判断した．振動試験については現在も継続中であり，次年度も引き続き実施する．
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度については，スーパーコンピュータ(Intel Xeon Gold 6154 18core×2CPU×16node，九州大学)の共同利用申請を行うとともに，MPIによる解析コードの超並列化を行い，FEM-MD大規模振動解析を実現する．プログラムのMPI化については年度の前半に完了させ，後半においては最適なMD領域の提案を目標とし，研究を推進する．また，上記の数値解析とともに，振動試験による解析精度の検証についても実施する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
振動試験を継続して実施するため，試験に必要な計測用機器（センサ）および試験材料の一部を次年度に購入する．
平成30年度については，上述の振動試験に加え，FEM-MD大規模振動解析を実施する．数値解析に必要なスーパーコンピュータ（九州大学）の利用料の支払に本助成金を使用する．また，解析用プログラムの超並列化に向け，大規模数値解析の実績を有する専門家の意見を仰ぐため出張する．
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