最小極数の回転4極、浮上2極で5スロットを最適とした。コイルを一つに統合することで回転トルクと径方向磁気支持力の最大値は別々の時よりも増加した。ステータを非回転式トルクメータに接続し、ロータに作用するトルクの反作用のトルクを測定する新たなトルク測定システムを開発した。浮上用コイルにノイズ電流を印加した実験を行い回転トルク性能にはほとんど影響しないことが分かった。フォーストルクセンサを用いた磁気支持力・回転トルク測定システムの製作を行い径方向と軸方向の磁気支持力の評価と同時に干渉力の評価も行うことができた。評価により小型セルフベアリングモータの試作機は磁気支持力が低いことが分かった。これまでに開発している成人用磁気浮上人工心臓を用いてロータの軸方向変位時に回転制御磁界により軸方向制御ができ振動を抑制し磁気浮上安定性の向上が図れることが分かった。ロータの軸方向変位時に浮上制御磁界によりロータの傾き制御ができるが振動が増加し全体の安定性が低下することが分かった。 最終年度において、試作機の改良を行った。インペラのシュラウドの外径を縮小することで、発生する軸推力を緩和調整できることが分かった。その副産物として、同心円ケーシングにおいてシュラウド外径の縮小がポンプ性能を向上できることが示唆された。主要な高調波成分も考慮した新たな径方向磁気支持力推定式を導出し再現度は十分ではないが磁気支持力の変動を表す式となった。この式からロータのみの変更でも磁気支持力の変動を低減できると考えた。ロータの永久磁石を近似ハルバッハ配列とし、軸方向剛性の向上、磁気支持力の変動の低減、磁気支持力の向上を図れた。小型セルフベアリングモータの空気中での磁気浮上回転に成功した。しかし、装置の故障により磁気浮上ポンプとしての評価はできなかった。 今後も研究を続け世界最小のセルフベアリングモータ用いた人工心臓を実現する。
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