研究課題/領域番号 |
16K18046
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
竹囲 年延 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60517712)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ホイールローダの自動化 / 経路計画 / 粉体シミュレーション / 掬い取り・積み下ろし |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は,ホイールローダ(図1右上)による土砂の掬い取り・移動・積み降ろしの繰り返し作業の自動化システムの構築である.その中で,土砂山の形状変化に対応しながら,それぞれの作業をどのように適切に連携させるかが課題である.そこで,移動距離を短くするという観点から,作業の進展に伴い変化する最適な複数の掬い取り位置・姿勢と,積み降ろし位置・姿勢を決定し,同時に,その間の複数の最適な移動経路も生成するアルゴリズムを提案する. 本年度は,(1)複数の掬い取り点に対応した同じ積み降ろし点の決定と種々の拘束条件を考慮したアルゴリズムの開発,そして,(2)柱状要素モデルを用いた掬い取り後の土砂形状の予測シミュレーションを行った. (1)について:本研究を開始する前に,1つの掬い取り点に対して,移動距離を短くするという観点から最適化された,1つの積み下ろし点とその間の経路を同時に決定するアルゴリズムを提案している.本年度は,複数の掬い取り点に対しても,最適化された1つの積み下ろし点とその間の複数の経路を同時に決定できるアルゴリズムを開発した.これまでと同様に,最大速度や衝突回避などの種々の拘束条件についても考慮することが可能である. (2)について:土砂を構成する粒の一つ一つを,同じパラメータをもつ長方形と仮定し,3次元の全方向に対して,お互いの粒の角度が安息角以下になるまで,積み上げられた上の粒から移動させるシミュレーションを行った.救い取り時のシミュレーションは,バケットが突入した部分の土砂部分が無くなると仮定して,掬い取り時の土砂形状の変化をシミュレーションした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記の2点については,概ね計画通りに進んでいる. (1)複数の掬い取り点に対応した同じ積み降ろし点の決定と種々の拘束条件を考慮したアルゴリズムの開発 (2)柱状要素モデルを用いた掬い取り後の土砂形状の予測シミュレーション
上記(2)のシミュレーション形状と実際の土砂形状を比較評価する予定であったが,そのための実験準備は現在行っている.
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今後の研究の推進方策 |
・掬い取り時の土砂形状の変化予測シミュレーション結果と,実際の土砂形状の変化を比較・検証する.そのために,3Dレーザを用いた土砂の計測・認識アルゴリズムを実装する. ・単純な土砂の輪郭形状について,最適な掬いとりと積みおろし点が存在する領域の調査と数式化 ・これまでに最適な積み下ろし点と経路を算出するアルゴリズムを提案したが,新たに,土砂形状に合わせた最適な掬い取り点についても,合わせて算出するアルゴリズムを提案する. ・前年度に新たな職場に移動したために,実験評価するための模型ロボットのソフトとハードの再開発が必要となったために,それについても行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
本科研費にて購入予定だった約40万円レーザーレンジセンサを,他の予算にて購入したため,
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次年度使用額の使用計画 |
測定範囲や精度の異なる6軸トルクセンサを購入する予定である.
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