抗生物質の利用の拡大に伴い,抗生物質であるバンコマイシンに耐性を持つ薬剤耐性菌が発現し,大きな問題となっている.国内の下水処理場にて用いられる塩素による消毒では,薬剤耐性菌の遺伝子まで不活化できないことが報告されており,耐性遺伝子の伝播による新たな多剤耐性菌の発現が危惧される. そこで本研究では,滅菌及び耐性遺伝子の不活化を目的として,薬剤耐性菌(VRE)にインパルス電圧の印加を行った.その結果,一定値以上の印加電圧で印加時間を増加させれば,滅菌が可能であることが判り,同様の電圧の条件にてvanA遺伝子の不活化も可能であることを示した.
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