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2017 年度 実績報告書

ディジタルカラー動画像に基づいた非接触型中心血圧計の実現

研究課題

研究課題/領域番号 16K18117
研究機関千葉大学

研究代表者

中野 和也  千葉大学, フロンティア医工学センター, 特任助教 (80713833)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード脈波伝播速度 / 脈波伝播時間 / 血圧推定 / RGBカメラ / 非接触計測 / 血管コンプライアンス
研究実績の概要

平成29年度は,2台のRGBカメラで取得した画像を用いて推定した脈波伝播時間(PTT: Pulse Wave Transit Time)から血圧値を推定する手法の基礎研究を実施した.先行研究にて,身体の2点にそれぞれECGやPPGといったセンサを接触させ,その2点の脈波から求めたPTTを用いて収縮期血圧(SBP: systolic blood pressure)を推定できることが報告されている.本年度は非接触計測によるPTTとSBPの同時計測からこれらの関係について調査した.
まず,2台同期撮影が可能なRGBカメラ撮影システムを用いて顔と手のRGB動画像を取得し,それらの画像から各部位における脈波を推定した.各脈波を一次微分することで抽出した2つの脈波の立ち上がり点の平均時間差をPTTとした.
次に実験方法及び結果を述べる.まず,SBP上昇の刺激としてハンドグリップ運動を実施したストレス状態と運動をしないレスト状態におけるPTT値の違いについて調査した.5名の被験者に対して実施した結果,ストレスにより被験者間における平均SBPが有意に上昇すると共に平均PTTも有意に短くなった.次に,呼吸停止により血圧上昇が起こる生理現象を用いて,呼吸停止前後のPTT変化を調べたところ,PTTは呼吸停止前後で大きく変化した.最後に,1名の被験者に対して, ハンドグリップ負荷が有りと無し場合で合計14回計測を実施し,SBPと非接触PTTの関係を調査した.この関係におけるピアソンの積率相関係数は負の相関を示した,R = -0.72 (p < 0.05).さらに,メーンズ・コルテベーグ式から導かれるSBPとPTTの間の非線形な関係式によってフィッティングを行ったところ,その決定係数(0.59)は線形フィッティング(0.48)の時よりも高いことが明らかとなった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 血管コンプライアンスの非接触計測2018

    • 著者名/発表者名
      中野和也
    • 学会等名
      バイオカラー研究会 セカンドステージ 第5回デジタル生体医用画 像の「色」シンポジウム 「生体イメージング革新とその実地・臨床応用」
    • 招待講演
  • [学会発表] Noncontact sphygmomanometer based on pulse-wave transit time between the face and hand2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Nakano, Takashi Ohnishi, Izumi Nishidate, and Hideaki Haneishi.
    • 学会等名
      SPIE BiOS 2018 - Part of SPIE Photonics West
    • 国際学会
  • [学会発表] ディジタルカラー動画像による血管コンプライアンスの評価手法の構築2017

    • 著者名/発表者名
      中野和也
    • 学会等名
      第1回フォトニック生体情報センシングセミナー
    • 招待講演
  • [図書] 光技術コンタクト誌 Vol. 55, No.10「血管コンプライアンス ー接触型から非接触型への展開ー」2017

    • 著者名/発表者名
      中野和也
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      一般社団法人日本オプトロニクス協会

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公開日: 2018-12-17  

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