最も有名な状態推定法としてカルマンフィルタがある。カルマンフィルタは線形ガウス系に対する推定法で、これまでに様々なカルマンフィルタ型の状態推定法が提案されている。これらの方法は事前情報としてノイズの確率分布を必要とするが、これらの情報は未知であることが一般的である。そこで本研究では、ノイズの事前情報が不要な状態推定法を開発する。提案法は、システムの確率モデルが密度比で表されることに着目し、密度比推定法を用いてデータから確率モデルを直接求める。そして、求めたモデルを粒子フィルタに適用することでノイズの事前情報が不要な状態推定法を実現した。数値シミュレーションにより提案法の有効性を示した。
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