研究課題
アスファルトコンクリート(以下、アスコン)の水分による劣化は、アスコン中のアスファルトと骨材界面の付着が水分の介在で失われることであると理解されているが、アスファルト-骨材界面の水分による劣化機構には未だ不明な点が多い。本研究では、アスファルト-骨材界面の水分による劣化機構に関して、アスファルト-骨材界面近傍の微細構造に着目した検討を行う。本研究成果を以下に示す。アスコンの微細構造の評価方法として、乾式研磨法によりアスコンの薄片を作製し、偏光顕微鏡でアスファルト-骨材界面近傍の微細構造を観察することを検討した。薄片の作製は、水により劣化した空港舗装から採取したアスコンと室内試験で作製した未劣化の状態のアスコンを用いて行った。偏光顕微鏡で薄片を観察した結果、水により劣化したアスコンでは、アスファルトが骨材から剥がれた状況と骨材表面が微細にひび割れた状況が確認できた。また、アスコン中のアスファルトが水の影響により単体の状態で存在している可能性があった。アスファルトが骨材から剥がれた状況とアスファルトが単体で存在している状態は、水による劣化の兆候と言え、アスコンの水分による劣化度を定量化する上で重要な指標となると考えられる。その他、アスコン中のアスファルトの化学構造を評価するための方法として、MALDI-TOFMS分析を試行し、30マイクロメートル四方におけるアスファルトの化学構造を評価できることを明らかにした。これにより、作製した薄片を偏光顕微鏡で観察し、その結果、劣化が疑われる局所的な部分の化学構造を評価することが可能となった。
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