研究課題/領域番号 |
16K18141
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
出水 享 長崎大学, 工学研究科, 技術職員 (00533308)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 鋼橋 / 鋼構造物 / 亀裂 / 非破壊 / ひび割れ / 非破壊検査 / デジタルカメラ / デジタル画像 |
研究実績の概要 |
本研究では,鋼部材に発生した亀裂の検出精度や検査の作業性を格段に向上させるため計測・解析プログラムの開発,あらゆる形状や部位で検査可能なフレキシブルな誘導加熱装置,計測治具の開発を行い誘導加熱探傷法の確立を行うとともに亀裂深さを推定可能なシステムの開発を行うことを目的としている。 開発を進めている検査装置を実フィールドで検査可能なものとするため、カメラタイプ計測装置のデモ機を製作した。カメラタイプ計測装置は小型のデジタルカメラを取り付けており狭隘部でも計測可能なものとした。なお、カメラにはLEDライトを取り付けており暗部でも計測できるようにしている。また、カメラタイプ計測装置を鋼部材にワンタッチで設置できるようにマグネットを用いてアタッチメントタイプとした。カメラタイプ計測装置は、ハードな実フィールドで利用できるように防水、防塵仕様とした。亀裂の開閉させるために必要な誘導加熱装置は専門会社と打ち合わせを重ね試作段階に入っており、現在、加熱範囲、温度上昇などの加熱性能を赤外線サーモグラフィー装置を用いて確かめている段階である。誘導加熱装置は以前の装置と比較して大幅に小型化できたため狭隘部での検査が可能となる。 亀裂検知の解析ソフトウェアは、ほぼ完成しており加熱前後の計測画像を読み込み解析することで亀裂が分布となって可視化できるようになっている。現在、アンドロイドOSのタブレットPCで利用するための移植作業を行っている状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カメラタイプ計測装置はデモ機の製作を行うことができた。新しい誘導関節装置のデモ機を製作できた。製作した装置は以前より大幅に小型化できた。解析ソフトウェアはほぼ完成することができた。現在、ソフトウェアをアンドロイドOSのタブレットPCで利用するための改良作業を行っている段階である。以上の研究成果から研究の進捗状況は「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
亀裂深さ検出システムの開発:放電加工によって亀裂幅と深さを変化させた試験体を作成して,亀裂検証実験を行い加熱温度と開閉ひずみとの関係を算出する.亀裂幅と深さを変化させた鋼部材のFEMモデルを作成し,亀裂検査のパラメトリック解析を実施し,亀裂周辺のひずみを計算する.計測結果と解析結果の関係を用いて,計測結果(ひずみと温度)の情報から亀裂の深さを推定するプロラムを構築する. 実構造物でのフィールド計測と問題点の抽出:実フィールドを紹介していただき,複数のパターンの疲労亀裂に対して,開発手法の計測精度,現場適用,作業性の問題点の抽出を行う. ③計測治具・誘導加熱装置の改良:実現場計測結果を踏まえて改良・改善を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
誘導加熱装置の試作が3月に遅れ、装置製作を外部発注ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に発注する。
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