近年,全国各地の河川において河道内樹林化の問題が深刻化している.本研究では,河道内樹林化の要因となる樹種としてヤナギ類に注目し,砂州への樹木の侵入特性と,それに伴う局所的な河道内樹林化の形成が河床・流路変動特性に与える影響を解明する.これより,最終的に,適切かつ実現可能な河道内樹林化対策を提案することを目的とする.研究室レベルでの水路実験や数値計算から得られた結果を現地河川へと結びつけることは容易ではないが,本研究では北海道開発建設局と連携する枠組みを利用することでこれをクリアする.本研究では、河道内への樹木侵入プロセスを明らかとし,河道内樹林化対策技術への応用を実現するため,次の3つのテーマを掲げている. (1) 砂州への樹木侵入特性と物理現象(流れと砂州形状)との関係性の解明 (2) 局所的な河道内樹林化が河床・流路変動特性に与える影響の解明 (3) 河道内樹林化対策のための適切な樹木伐採技術(領域や頻度等)の提案 初年度であるH28年度は、大型室内実験にて(1)砂州、網状流路への樹木侵入特性として種子定着特性を把握し、植生の定着状況の違いが流れと流路変動に与える影響を検討した。
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