研究課題/領域番号 |
16K18168
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50634226)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | テレマティクス保険 / 抜け道 / 生活道路 / フィールド実験 / リワード / ペナルティ |
研究実績の概要 |
幹線道路に比べて自動車走行台キロ当り事故率が高い生活道路の抜け道(通過交通)としての利用に着目し,「日常的に抜け道利用頻度が少ないほど自動車保険料が割り引かれる」というような保険プログラム(抜け道抑制型テレマティクス保険)の有効性について,2018年度は,そのコンセプトを想定したフィールド実験を計画・実施した. 実験は次の3フェーズを設定し,各フェーズはそれぞれ1ヶ月間程度とした.フェーズ1は,被験者車両にGPSロガーを設置し,通常の経路選択傾向を捉える期間とした.フェーズ2は,被験者を①リワード群(経路選択状況により,報酬が追加されるというルール),②ペナルティ群(経路選択状況により,あらかじめ追加された報酬が減るというルール)という2群に分け,その効果を捉える期間とした.フェーズ3は,フェーズ2の①リワード群と②ペナルティ群の被験者を入れ替え,その効果を捉える期間とした.なお,ルールが適用されるのは事前に設定した対象区間のみとした.加えて,実験前後に,普段の運転行動や運転スタイルなどに関するアンケート調査を実施した. フィールド実験は2019年1月~3月に被験者24名を対象として行い,分析に必要なデータが得られた.2020年度に,得られたデータの分析を行い,テレマティクス保険を活用した抜け道交通抑制可能性についての取り纏めを行う. なお,本フィールド実験については,2018年11月の豊橋技術科学大学人を対象とする研究倫理審査委員会にて承認を得た.また,実験前にインフォームドコンセントを行い,被験者全員が実験に関する同意書に署名をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初1年目に完了を予定していた,自動車プローブデータを活用した抜け道選択行動モデルの構築に想定以上に時間を要したことで,研究計画全体にやや遅延が生じ,当初3年目前半に予定していたフィールド実験の完了が3年目末日まで要した.当該実験データの分析・考察,およびその成果をまとめて学会発表や論文投稿を行う時間が必要であり,補助事業期間の延長を申請したため.
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今後の研究の推進方策 |
フィールド実験により得られたデータを用いて,テレマティクス保険を活用した抜け道交通抑制可能性について分析を行う.特に,普段の運転スタイルに関するアンケート結果と照らし合わせ,効果がある被験者とない被験者の特性について明らかにする.また,リワードとペナルティによる効果の違いについても分析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
フィールド実験の完了が3年目末日まで要し,2019年度に,当該実験データの分析・考察,およびその成果をまとめて学会発表や論文投稿を行うため,そのための旅費および投稿費として使用する計画である.
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