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2016 年度 実施状況報告書

下廃水からのリン除去回収に向けたジルコニウム担持分離膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K18175
研究機関中央大学

研究代表者

羽深 昭  中央大学, 理工学部, 助教 (30735353)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード水処理膜 / リン回収 / 吸着剤 / 硫酸ジルコニウム-界面活性剤ミセルメソ多孔体
研究実績の概要

本研究の目的は、下廃水中のリンを吸着可能な水処理膜を開発することである。通常、分離膜は膜孔径以下の物質を意図的に除去することはできないため、溶存態のリンは水処理膜では除去されない。そこで本研究ではリン吸着剤を分離膜に担持させることで、水中の懸濁物質除去と同時にリンを除去可能な分離膜の開発を行っている。なお、リンは貴重な資源でもあるため、下廃水からの回収が望まれている。
平成28年度はリン吸着剤として硫酸ジルコニウム-界面活性剤ミセルメソ多孔体(ZS)を使用し、膜原液組成(高分子、溶剤、添加剤、ZS)および製膜温度条件の検討を行った。様々な試作膜を作製後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた膜表面および断面を観察することで、ZSが含まれる場合においても膜構造が形成されているかを確認し、最適な膜原液組成を明らかにした。なお、観察された粒子がZSであるかを確認するため、エネルギー分散型X線分光法(EDX)による分析も行い、ジルコニウムのピークを確認している。
つづいて、開発した膜のリン吸着性能評価を行った。リン酸水溶液をろ過実験に供した結果、ZSを担持した膜ではリン吸着が確認された。また、膜厚が厚いほどリン吸着量も高いことが明らかとなった。リン回収に向けて脱着試験を行った結果、リン吸着後の膜に水酸化ナトリウム水溶液を透水することで、リン酸の脱着が可能であることが明らかとなった。また、脱着実験後の膜を再度リン吸着実験に用いた結果、繰り返し使用が可能なことも分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでに開発した膜のリン吸着性能を評価する段階まで進んでいるため。

今後の研究の推進方策

実下廃水試料を用いてろ過実験を行い、懸濁物質除去と同時にリン回収が可能かを調べる。また、ZSの粒径を小さくすることでリン吸着量の向上を図る。

次年度使用額が生じた理由

消耗品が想定したよりも安価であったため。

次年度使用額の使用計画

次年度の消耗品購入費として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ジルコニウム-メソ多孔体を包含したリン回収多機能膜の開発2017

    • 著者名/発表者名
      古屋謙治,羽深昭,黒岩美帆,山村寛,佐藤久,渡辺義公
    • 学会等名
      第51回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      熊本大学黒髪キャンパス
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
  • [学会発表] リン吸着能を有するジルコニウム担持分離膜の開発2016

    • 著者名/発表者名
      古屋謙治,羽深昭,黒岩美帆,佐藤久,渡辺義公,山村寛
    • 学会等名
      第53回環境工学研究フォーラム
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2016-12-06 – 2016-12-08

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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