研究実績の概要 |
平成29年度はエレベータロープの振動制御について、制御の側面からアプローチした。 ⑤かご室位置について:“地震動の特性ごとに適切なかご位置を抽出する”方向性から、“かご室位置の変化に逐次対応できる”ように設計方針を改めた。かご室位置を固定とせず可変とした場合について検討するために、各かご室位置でのロープの振動特性(固有振動数および振動形状)を明らかにした。 ⑥対象の物理的制約・エネルギ回生の制約の調査・⑦制御理論の構築・⑧検証解析について:制振装置の導入に関する制約条件を抽出し、制御力はコンペンシーブに加える張力とした。(A)ロープのモード応答に基づくフィードバック制御を提案し、制御性能について評価を行った。また、(B)エネルギについて一定張力入力と比較して大幅な削減ができ、かつ、低コスト化を考え、フィードバックする物理量をかご室の運動(かご室の位置と絶対加速度)のみに制限したコンペンロープの振動制御方法を提案した。 なお、⑤に対応するため、制御則を当初考えていた最適レギュレータから、システムの非線形性に対応できる制御則へ変更した。 ⑨エレベータの振動対策計画の立案について:平成29年度の検討で得られた成果のうち(A)についての成果を纏め、制御系の国際会議2017 Asian Control Conferenceで発表した(X. T. Nguyen, N. Miura, and A. Sone: Analysis and Control of Compensation Rope Response in Elevator System with Time-Varying Length, Proceedings of the 2017 Asian Control Conference, pp. 905-910, 2017.12.18, Australia)。
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