保育施設では、津波襲来時における園児の避難対応が課題であり、市街地レベルの安全な場所への広域的な避難が求められる場合の職員・園児集団の行動能力や支援体制については、これまでに十分な研究が行われていない状況にある。そこで本研究では、誘導員引率下の園児の年齢別避難速度や多人数用ベビーカーを用いた際の路面勾配別搬送効率等、職員・園児集団が津波避難施設や高台まで避難する際の行動能力を実験環境下において把握した。保育施設の避難目的地の設定や地域コミュニティによる支援体制の検証手法の構築に必要な基礎データが整理され、今後の減災対策の策定に貢献できることに意義があると考えられる。
|