研究課題/領域番号 |
16K18212
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
堀 裕典 横浜市立大学, 国際総合科学部(八景キャンパス), 客員講師 (00614653)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 用途地域・ゾーニング / 特別用途許可・デザインレビュー / 裁量的開発許可 / 容積移転・容積バンク / 都市デザイン / シアトル・マイアミ / サンフランシスコ・デンバー・ミネアポリス / アメリカ・カナダ |
研究実績の概要 |
①日本の用途地域制の課題と北米の特別用途許可 これまで、日本建築学会建築法制委員会用途規制再構築検討小委員会において議論してきた日本の用途規制に関する研究とりまとめが2017年日本建築学会大会研究協議会にて発表された。申請者は、その日本の課題を踏まえ、アメリカ、マイアミ市Miami21 codeにおける条件付き用途許可について子育て支援施設立地の観点から論文の寄稿を行った。Miami21 codeでは、地区特性に合わせた用途誘導を行うため、事前確定基準の中に立地可能な用途を示すほか、地区ごと・用途ごとにおける特例許可の審査プロセスを事前規定している。外部に対して影響の大きい用途や規模の大きい施設等については、パブリックコメントや委員会による審査など、多くの主体が関与する審査プロセスを準備しており、近隣調整を効率的に行えるような仕組みとなっている。それに加え、デザインレビュー基準との適合なども要件として挙げられており、用途を単体で規制するのではなく、形態規制を含む最適解を導き出せる仕組みとなっている。本成果は、2015年度に発表した、ポートランド市における条件付き用途許可の運用(B&B:民泊)を含め、来年度以降、書籍等に纏められる予定である。
②裁量的開発許可制度および運用実態の調査 バンクーバー市の裁量的開発許可制度と容積移転制度の運用について、日本都市計画学会審査付き論文の投稿・発表を行った。シアトル市、マイアミ市における概要現地調査、ミネアポリス市、デンバー市、サンフランシスコ市における現地調査・インタビュー調査も行った。2017度より、日本建築学会建築法制委員会人口減少時代のゾーニング制度研究小委員会が発足し、申請者も委員となっていることから、北米における裁量的開発協議の基準となるゾーニング等事前規定の運用について委員会の先生方の助言を得ながら研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、米国調査を履行した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究成果および調査結果を踏まえて、裁量的開発許可制度およびデザインレビュー制度の運用に関する公開研究会を実施予定である。調査に関しては、カナダの都市計画法制度に大きな影響を与えたイギリスにおける裁量的計画許可制度の運用に関するプレ調査を行い、今後の研究の展開を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
自身で研究を進めたことによる人件費等の削減による。来年度は、公開研究会を行う予定であり、開催のための経費および海外研究者の招聘のために予算を割り振る予定である。
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