本年度は、前年度(2018)の取りまとめおよび最終年度の取りまとめを行った。 (1)2018年度の取りまとめ ①2018年度に行ったイギリス調査では、ロンドンおよびブリストル市における計画許可制度の運用に関して、新規開発の現地調査を行った。その後、デザイン協議の内容を調査したが、詳細については追加調査が必要だということが判明した。そのため、次年度以降に、より詳細な調査を行うこととした。 ②海外実務者招聘講演会では、ロサンゼルス市元職員のジョーンタナー、ブラックマン氏から、アメリカのゾーニングの歴史、近年の運用、裁量的開発許可、スマートコード、容積移転等に関して、講義をして頂いた。その内容は、2019年度日本建築学会大会(北陸)建築法制部門研究協議会資料「今、容積率制限を考える」の中に執筆した。 (2)最終年度としての取りまとめ 2016年度から2018年度までの取りまとめを行った。2016年度は、バンクーバー市における容積移転および容積バンクに関する現地調査を行った。その成果は2017年度日本都市計画学会論文(査読付)で発表した。容積移転については、事業者間で売買を行い、容積バンクが活用されていたが、事前確定的基準に応じて、容積移転を利用しない選択肢もあり、事業者に与えられた自由度が大きいことがわかった。用途規制に関しては、2017年度日本建築学会大会建築法制部門研究協議会資料に、マイアミ市Miami21 codeにおける条件付き用途許可について子育て支援施設立地の観点から論文の寄稿を行った。地区の特性に合わせた用途を誘導するため、事前確定基準を示すほか、外部に対して影響の大きい用途は特例許可のプロセスを用意していた。2018年度は、前述の通り、イギリス調査を行い、ロサンゼルス市実務者講演を開催し、アメリカのゾーニングやスマートコード等についてまとめた。
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