本研究は、中国と日本の伝統的大工道具の調査を通して、古代建築造営の技術を追求するものである。 第3年度となる本年度は、日本建築学会の若手奨励特別研究委員会「建築書と建築理論」と東洋建築史小委員会研究会において研究発表をおこない、建築技術書『営造法式』(1103)から読み取れる中国宋代の建築設計原理をテーマに、当時大工の役割分担と棟梁が設計に参与した可能性を論じた。 また、韓国ソウルにて開催された国際会議において、中国唐代における官式建築の造営体制に関する研究史について発表した。 さらに、現地調査として、中国浙江省台州地区において、69点の大工道具について詳細な実測調査を実施した。その調査研究の成果の一部は、2019年度日本建築学会大会において発表する予定である。
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