形状記憶合金における非化学量論組成や規則・不規則相転移における格子振動の諸性質の解明を目指し,不規則合金に対する第一原理に基づく格子振動解析手法の定式化および実装を行った.本手法を高エントロピー合金など様々な不規則合金モデルに適用し,フォノンスペクトルのピークの広がりや不連続性など,不規則合金のフォノンスペクトルに普遍的に見られる特徴を明らかにした.また,磁性不規則合金に対する適用により,フォノンスペクトルが磁気状態に大きく依存することを示した.さらに,不規則合金中の力定数に対して詳細な解析を行い,元素ペアや原子間距離に対する依存性を明らかにした.
|