本研究ではFeSe超伝導薄膜とSnSe熱電変換膜を作製し、ひずみ等の構造による特性制御の可能性を検討した。パルスレーザー蒸着を用いてc軸配向FeSe膜およびa軸配向SnSe膜を作製した。FeSeではSrTiO3を導入しナノコンポジット薄膜も作製し、FeSeに引張ひずみを導入することに成功した。SnSeではターゲットにおけるSe量を変化させ、膜の基本的熱電変換特性の制御を行った。電気伝導度は0.1S/cm(室温)、9.8S/cm(300℃)となり、250-500℃の高温では単結晶の電気伝導度よりも大きな値が得られた。
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