本研究では、非鉛系のリラクサーであるチタン酸ビスマスカリウム(BKT)系固溶体の組成探索により、広い温度範囲で高い誘電率を示す誘電体を創生することを目的とした。まず水熱法を利用して作製した高品質BKTセラミックスの誘電応答を解析し、BKTが示すリラクサー-強誘電体相転移のメカニズムを明らかにした。また、直流電界および圧縮応力下での誘電応答も測定し、BKTの電界-温度および応力-温度相図を始めて報告した。つづいてBKTに対してチタン酸ストロンチウムを固溶させることでリラクサー相を安定化させるとともに誘電率最大温度を室温付近まで低下させ、広い温度範囲で1000以上の比誘電率を示す誘電体を作製した。
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