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2016 年度 実施状況報告書

遷移金属-酸素四面体を骨格構造とするナトリウム二次電池用正極材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K18242
研究機関東京理科大学

研究代表者

久保田 圭  東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 講師 (50709756)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードナトリウム遷移金属酸化物 / 正極材料 / 電池材料 / ナトリウムイオン電池 / 二次電池 / 機能性セラミックス材料 / 固体イオニクス材料
研究実績の概要

持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、蓄電デバイスの技術革新が求められている。資源が無尽蔵な“ナトリウム”を利用した“ナトリウムイオン二次電池”は、希少金属や有害元素を含まない究極の“元素戦略電池”として期待できる。しかし、現状の層状酸化物正極では作動電圧が3 Vとリチウムイオン電池の4 Vよりも低く、容量も150 mAh/gとリチウムイオン電池と同等であり、実用化には更なる蓄電エネルギーの向上を要する。
本研究では、ナトリウムイオン電池の実用化に向けて、電極材料面でのブレークスルーを起こすべく、電池材料として一般的な遷移金属-酸素八面体を基本骨格とした層状岩塩型酸化物やリン酸塩とは異なる遷移金属-酸素四面体を骨格構造とするナトリウム酸化物を探索し、新奇な電池材料群の創製を目的とする。特に、鉄およびマンガンをベースとし、遷移金属が結晶構造中の四配位四面体位置に占有した四面体を骨格構造とする酸化物を合成し、その電気化学特性を評価して、さらに電極反応機構の解明を目指す。
本年度は四面体を骨格構造とする酸化物の合成と電気化学特性の評価を行った。鉄酸化物としてはbeta-NaFeO2の合成に成功し、電気化学特性を評価したが、可逆的な電気化学容量は得られなかった。これは四面体を骨格構造とする酸化物も層状酸化物やリン酸塩と同様にナトリウムイオンの脱挿入に適した結晶構造が存在することを示唆しており、材料合成において重要な知見が得られた。また、マンガン酸化物として、Na2Mn2O3の合成に成功し、電気化学特性が得られた。今後はNa2Mn2O3の反応機構の解明をベースとし、新規材料合成も引き続き並行して行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は鉄およびマンガンをベースとし、遷移金属が結晶構造中の四配位四面体位置に占有した四面体を骨格構造とする酸化物の合成とその電気化学特性の評価を計画していた。
鉄酸化物としてはbeta-NaFeO2の合成に成功し、可逆的な電気化学容量を示さないことを明らかにした。これは四面体を骨格構造とする酸化物もナトリウムイオンの脱挿入に適した結晶構造が存在することを示唆しており、材料合成において重要な知見が得られた。また、マンガン酸化物として、Na2Mn2O3の合成に成功し、電気化学特性が得られ、当初の計画を達成した。

今後の研究の推進方策

次年度は当初の研究計画の通り、充放電反応機構の解析を予定している。
四面体を骨格構造とする酸化物の電極特性の理解および更なる特性向上に向けた材料設計には、充放電反応機構を解明する必要があり、充放電前後および充放電中の結晶構造の変化をin-situ X線回折およびex-situ 放射光X線回折を用いて調べ、四面体酸化物を構成するナトリウム、遷移金属、酸化物イオンの電子状態については放射光X線吸収分光で調査する。
これらの解析を進めるとともに材料合成にもフィードバックさせ、ナトリウムイオンの脱挿入に最適な四面体を骨格構造とする酸化物の合成を目指す。

次年度使用額が生じた理由

物品費の変動によって50円の残額が発生した。50円で本実験に必要かつ購入可能な物品等は存在しなかったため、50円を次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

物品費に50円を加算して、本研究に必要な消耗品の購入に充てる。

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公開日: 2018-01-16  

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