本研究では,蒸気コーティング法による難燃性Mg合金上への防食皮膜形成技術の開発,皮膜の形成機構の調査,皮膜を有する難燃性Mg合金試験片に対する腐食促進試験による耐食性評価を目的としていた.研究の結果,形成される皮膜は,Mg(OH)2:水酸化マグネシウム,Mg-Al系LDH:層状複水酸化物,AlO(OH):ベーマイト で構成されることがわかった.また,腐食促進試験の結果から,皮膜成分と腐食促進イオンとの反応によって,Mg-Al系LDHが生成され,Mg基材には,ほとんど影響しないことが明らかとなった.よって,蒸気コーティング法は,難燃性Mg合金に対しても,耐食性を向上させる効果があるといえる.
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