研究課題/領域番号 |
16K18260
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藪内 聖皓 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (70633460)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 転位 / 転位動力学 / 材料強度 / 格子欠陥 / 転位ループ / ボイド / 析出物 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、転位に対する抵抗力(強度因子)が異なる様々な欠陥が混在する組織中での転位の運動プロセスを転位動力学法を基に明らかにすることで、材料強度(硬化量)を正しく評価できるモデル(計算式)を構築することである。強度因子の異なる欠陥が混在する組織の硬化量の算出には、線形加算則や非線形加算則など様々な式が提案されているが、どれも系統的な研究を基に導出されたものではなく科学的根拠が希薄である。本研究提案は、転位動力学法を用いて系統的なシミュレーション実験を行うことで、科学的根拠に基づいた硬化量算出モデル(計算式)の提案を行い、前述の課題解決を目指すものである。 平成28年度の研究計画は、転位動力学コードの開発と計算環境の整備である。計算コードは申請者がこれまでに開発してきた転位動力学コードをもとに改良を行った。現在、各種初期条件をもとに計算を実施し、細部を調整中である。計算機はGPUを備えたワークステーションを導入し、本研究の計算を実行する環境を整えた。 さらに今年度は転位動力学コードへの適用を目的に、ファセットボイドの強度因子について分子動力学法を用いて研究を行った。転位とファセットボイドの相互作用を、すべり面とファセット面との幾何学的関係を持とに整理し、転位のカッティングプロセスについて詳細に分析を行った。この結果を本開発コードに組み込むことによりファセットボイドについての転位動力学計算が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の研究計画は、転位動力学コードの開発と計算環境の整備である。計算コードは申請者がこれまでに開発してきた転位動力学コードをもとに改良を行った。現在、各種初期条件をもとに計算を実施し、細部を調整中である。計算機はGPUを備えたワークステーションを導入し、本研究の計算を実行する環境を整えた。 当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、転位に対する抵抗力(強度因子)が異なる様々な欠陥が混在する組織中での転位の運動プロセスを転位動力学法を基に明らかにすることで、材料強度(硬化量)を正しく評価できるモデル(計算式)を構築することである。強度因子の異なる欠陥が混在する組織の硬化量の算出には、線形加算則や非線形加算則など様々な式が提案されているが、どれも系統的な研究を基に導出されたものではなく科学的根拠が希薄である。本研究提案は、転位動力学法を用いて系統的なシミュレーション実験を行うことで、科学的根拠に基づいた硬化量算出モデル(計算式)の提案を行い、前述の課題解決を目指すものである。 平成28年度の研究計画は、転位動力学コードの開発と計算環境の整備である。計算コードは申請者がこれまでに開発してきた転位動力学コードをもとに改良を行った。現在、各種初期条件をもとに計算を実施し、細部を調整中である。計算機はGPUを備えたワークステーションを導入し、本研究の計算を実行する環境を整えた。 今後は、開発した転位動力学計算コードを用いて、まずは各欠陥が単独で存在する場合について、各種入力パラメータを変えて計算を行う。また、正方配列近似で欠陥を配置した場合と不規則に配置した場合の違いについて、転位の運動プロセスなどに着目することで既存の分散強化モデルとの相違について検討を行う。その後、各種欠陥を混在させた組織に対して計算を行う。特に、各種欠陥の存在割合(密度)や析出物の強度因子を変えて系統的に研究を行い、先の結果も合わせて比較・検討を行うことで、転位の運動プロセスを明らかにするとともに、硬化量を算出する計算モデル(計算式)を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
残金が小額のため29年度に繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
おおむね29年度の予算計画に合わせて使用予定である。
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