石油系添加剤を用いることなく,高い成形性および特性を有する木質系材料を作製することを目的として,”天然系バインダの混合”,および”蒸煮プレスを用いた改質”による木粉の流動特性活性化を提案し,各手法の有効性を検討した.天然系バインダとしてスクロースとクエン酸を木粉に混合することによって,木粉の流動性は活性化し,射出成形が可能であった.また,バインダの調製方法を適正化することによって,一般的な木質プラスチックなどと同等の強度や耐水性を有する成形品が得られた.蒸煮プレスを用いた木粉の改質に関しては,新しく開発した装置によって,高圧飽和水蒸気による処理が可能であることを確認できた.
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