本研究では、切削用工具として用いられる超硬合金(炭化タグステン)からのタングステンの酸化侵出に及ぼす電解浴(溶融塩)の温度の影響について、タングステンとその他の元素(コバルト、タンタルなど)を検討し、各種構成金属の侵出メカニズムの解明と侵出メカニズムの選択性についての検討を行うことを目的とした。溶融塩として水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの共晶塩を用い、電気化学的手法を用いて実験的検討を行った。超硬合金からのタングステン侵出に対しての溶融塩の温度の影響は大きく、723K以上の温度で行うことが望ましいことが示唆された。また、他の元素の侵出挙動も、温度の影響は大きいことが示された。
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