本研究では,モデル吸着剤をMCM-41,モデル薬剤を難水溶性非ステロイド性抗炎症物質であるイブプロフェン及びケトプロフェンとして,超臨界法によるナノDDS(ドラッグデリバリーシステム)キャリア創製へ向けた薬剤吸着挙動の基礎的検討を行った.温度313~343 K,圧力15.0 MPaの条件にて薬剤の担持・吸着実験を実施したところ,メソポーラスシリカ細孔内へのイブプロフェン導入量は温度増加に伴い増加した.この温度依存性は,超臨界二酸化炭素中における薬剤溶解度及び薬剤と競争吸着する二酸化炭素の吸着平衡の影響によるものと考えられ,これらを考慮することで本プロセスの効率的設計が可能になると予想される.
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