微生物発酵による有用化合物の生産においては,目的物質を安定に高生産することが重要であり,これを実現するには培養中の代謝状態を適切に維持することが必要である.また,細胞内の代謝情報を可視化することで,代謝状態の制御に有益な情報が得られると考えた.本研究において,解糖系やTCA回路の反応速度を可視化する蛍光タンパク質センサーを開発した.また,大腸菌によるメバロン酸の生産を例に,解糖系とペントースリン酸経路のフラックス比の制御がメバロン酸の収率に与える影響を実験的に評価した.最適なフラックス比におけるメバロン酸収率は,フラックス比を制御しなかった場合に比べて25%増加することが示された.
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