研究課題
人工衛星の将来的な理工学ミッションの幅を広げるために,人工衛星単体で利用できる電力密度を高める必要がある。フォーメーション飛行等でより長距離での給電には電波を用いた無線電力伝送が適している.電波方式では電磁波を受信し直流に変換するために,アンテナと整流回路を併せ持つレクテナと呼ばれる素子が必要になる.また使用する周波数が高いほど回路の小型化が可能であること,ビームの拡散が小さいことなどの理由から,レクテナを小型化することができるため人工衛星への給電を想定した際に大きなメリットを有する.既存研究でも同周波数帯での研究はいくつか行われているが,レクテナの出力電力が低いもののみであり,人工衛星に十分な電力を送電した例はない.これは高い周波数帯では大電力を発振できる発振器が少ないことが主な理由である.宇宙空間における長距離人工衛星間給電を想定して、ミリ波型電力伝送システムの人工衛星への搭載を視野に,発信源としてジャイロトロンを利用した実験を筑波大学プラズマ研究センタ及び福井大学遠赤外線研究センタと共同で行った。高効率での送電を行うため,送電側にカセグレンアンテナを用いた実験を行った.出力電力,送電効率を測定し,理論値と比較することで評価を行った.送電効率は理論値とほぼ等しい値であり,ジャイロトロンを使用した実験が理論通りに行えたことが示された.より高効率での送電を行う場合は性能の良いアンテナを用いる必要がある.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件)
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
巻: TBD ページ: TBD
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