平成30年度は局所振動を前提とた水中搬送基礎実験をおこなった. その結果,水槽内に少なくとも1本~7本までは粒子を集中させる可能性があることを確認した.
【振動発生装置の部集と組立て・調整】二本の振動発生装置(パルスモータ式)と824mm×164mmの容器を用いた実験装置を組み立てた.その後,所望のサイン波の動きで動作させるために,必要パルスの時系列データを作成し,動作確認を行った. 【局所振動を前提とし,水中搬送での基礎実験】ブイ型振動発生装置による粒子の移動現象を確認した.具体的には,水槽全体加振と同様の現象を引き起こす振動パターンを探った.この基礎実験では水深,粒子,振動数など,多数のパラメータを変えた実験をおこなった.その結果,水槽内に少なくとも1本~7本までは粒子を集中させる可能性があることを確認した.ただし,集合本数が多くなればなるほど,粒子を特定の位置に移動させることが難しくなることがわかった.この原因は振動発生装置の先端の板が所望のサイン波の形を歪ませていることが主たる原因である.現状先端の板はアクチュエータと共に鉛直方向に可動するだけであるが,先端の板を波の接線方向に倣うように駆動させるような工夫により改善できると考えられる. 本研究成果はMSCS2019にて発表した.また,振動発生装置としてはパルスモータの代わりに空気ばねを用いることを将来的に想定している.この空気ばねを用いた効率的な振動発生手法に関しては電気学会にて論文発表した.
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