本研究では鋼構造物の最終強度予測を高精度化するために、溶接力学解析手法と最終強度解析手法を統合した解析システムを構築した。本システムでは、船体などの大規模な解析を行うために、代数マルチグリッド法と画像処理装置(GPU)による並列化を解析手法に対して導入した。本システムを用いて、基礎的な防撓構造物の4点曲げ時の最終強度解析を実施した結果、本システムを用いることで、高精度な解析が行えることを確認した。また、船体ブロックの最終強度の予測を実施した結果、得られた荷重-変位曲線は実験結果とよく一致し、本解析システムを用いることで、製作時の溶接が強度に及ぼす影響についても検討できることを示した。
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