舶用ディーゼル機関から排出される排ガス中には様々な有害物質が含まれている。その中でもあまり研究対象とされてこなかった多環芳香族炭化水素(PAHs)に着目した。機関内の燃焼を再現することが可能な急速圧縮装置で単純な燃料を燃焼させ、発生するガスの分析と粒子状物質の採取を実施した。二種類の物質(ヘキサデカンと1-メチルナフタレン)で作成した模擬燃料を燃焼させると、未燃の1-メチルナフタレンが含まれている他に、模擬燃料成分以外の炭化水素(ナフタレン)も検出された(※ナフタレン、1-メチルナフタレンはPAHsの一種)。排ガス中には未燃成分と燃焼によって生成・分解した成分が含まれることがわかった。
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