研究課題
本研究では、磁場方向流れ場及び磁場と垂直方向の流れとの干渉を担う基礎過程を明らかにする事を目標とする。本年度は、次のような進展を得た。(1) 流れによる捕捉効果を考慮した乱流と相互作用する帯状流の伝播方向を明らかにした。波動運動論に基づくシミュレーションを行い、乱流と帯状流とを自己無撞着に解き、定常的な飽和状態を得た。乱流波数スペクトルを変化させると、帯状流の伝播方向が変化する事を明らかにした。また、方向選択則を理論的に説明した[Sasaki, NF '18]。本論文の図は、Nuclear Fusion誌の表紙を飾った。(2) 磁場と垂直方向の流れ不均一性に駆動されるケルビンヘルムホルツ(KH)不安定性の非線形挙動の素過程を明らかにした。3次元乱流シミュレーションによって、KH不安定性の定常的飽和状態及びリミットサイクル的自励振動状態を得た。揺動の位相ダイナミクスを考える事で、揺動場と背景場が強く結合する素過程が内在している事を明らかにし、リミットサイクルが起こる原因を明らかにした[Sasaki, PoP '19]。(3)トロイダルプラズマにおけるH-mode乱流についての理解を得るべく、ポロイダル流に起因するトロイダルリターン流による不安定性を考えた。トロイダルリターン流が弱い場合はポロイダル流によるドリフト波の抑制が起こるが、より流れが強くなるとトロイダルリターン流に起因する新たな不安定性が生じる。この不安定性は、H-modeで観測される突発的プラズマ吐き出し現象の前兆揺動と酷似している[Sasaki, NF '19]。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 6件)
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