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2017 年度 実施状況報告書

TM-EFP:原子炉過渡挙動解析のための革新的数理モデル

研究課題

研究課題/領域番号 16K18344
研究機関北海道大学

研究代表者

千葉 豪  北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50421524)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード空間依存動特性 / 行列指数法
研究実績の概要

全ての核分裂生成物核種を陽に扱い原子炉過渡解析を行うモデルTM-EFP(Transient Model with Explicit representation of Fission Products)について、昨年度までに、空間依存性を無視した問題への適用を行うとともに、遅発中性子先行核を6群で扱う従来の動特性モデルとの差異を定量的に評価した。なお、ここでは、TM-EFPで用いる核データ(核分裂収率データ、崩壊定数、崩壊分岐比データ等)に整合する6群定数を用いることにより、核データの差異を排除した比較を実現した。ただし、実際に測定データをよく再現できるのは従来モデルで一般的に用いられている定数であることから、今年度は従来モデルの結果を再現するようにEFPモデルの核データを最適化する検討を行った。その結果、EFPモデルの核データに与えられている不確かさの範囲内では、EFPモデルにより6群モデルの計算結果を再現させることは難しいことが分かった。
また、TM-EFPを空間依存問題に拡張するため、今年度は動特性計算手法の定式化を行った。TM-EFPでは、核分裂生成物核種の数密度に対する微分方程式において核種間の干渉が生じることから、従来の動特性モデルに適用されていた手法を拡張する形で定式化を行った。具体的には、核燃料の燃焼計算に用いられている行列指数法を部分的に導入した。この際、遅発中性子放出に寄与しない核分裂性核種を含めると行列に特異性が生じてしまうため、計算に不要な核種を排除するアルゴリズムを導入した。簡易ベンチマーク問題により、定式化の妥当性を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

TM-EFPの導入により得られた知見を原子核物理分野にフィードバックする目的で、当初の予定になかったTM-EFPに用いる核データの最適化に関する検討を行ったこと、また空間依存の動特性解析プログラムの開発に時間を要したことが理由として挙げられる。

今後の研究の推進方策

TM-EFPを空間依存問題に適用するとともに、中性子・ガンマ線の結合輸送計算を行い、詳細な熱付与計算を実施する。また、熱計算モジュールの開発を行い、核熱結合計算を行う。さらに、取り扱う核種数を減らしたReduced TM-EFPの開発を行う。

次年度使用額が生じた理由

成果発表の場として選んだ国際会議が中国で開催されたため、旅費が想定していた額よりも安く済んだことなどが、次年度使用額が生じた理由である。次年度、この分を、物品購入費や人件費に充当する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 核分裂生成物核種を陽に取り扱った空間依存動特性解析2018

    • 著者名/発表者名
      片桐耕司、千葉豪、奈良林直
    • 学会等名
      日本原子力学会2018年春の年会
  • [学会発表] Nuclear Reactor One-Point Kinetic Calculations with Explicit Fission Product Model2017

    • 著者名/発表者名
      Koji Katagiri, Go Chiba
    • 学会等名
      The Reactor Physics Asia 2017 (RPHA17) Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 核分裂生成物核種を陽に取り扱った一点炉動特性解析2017

    • 著者名/発表者名
      片桐耕司、千葉豪、奈良林直
    • 学会等名
      日本原子力学会2017年秋の大会

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公開日: 2018-12-17  

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