研究課題
若手研究(B)
ベタイン型ポリマーの白金族イオン(Pd、Rh、Ru)に関する吸着挙動やXAFS(X線吸収微細構造)・FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)を用いて吸着後の白金族イオンの構造評価を行った。その結果、ベタイン型ポリマーはNiやCuよりもPd, Rh, Ruに高い吸着性を示した。吸着後の白金族イオンの構造評価の結果、ポリマーの官能基であるグリシン部のカルボキシレートが、白金族イオンへの配位やカチオン交換を引き起こすことで吸着が起こっていることが明らかになった。
分離化学
白金族金属の製錬において、一般的に塩酸や王水で浸出が行なわれる。したがって、これらの溶液中の白金族金属の分離研究は、広く行われている。一方、原子力分野や銀を含む白金族金属の製錬においては、硝酸溶液からの分離が必要になるが、分離剤に関する知見は、これまでにほとんどなかった。そこで本研究では、硝酸水溶液中の白金族イオンを吸着するベタイン型ポリマーのメカニズム解明を行なった。