研究課題
若手研究(B)
本研究は、出来事の起きた時間的文脈の記憶を調べる時間順序識別記憶課題を用いて、大脳記憶ネットワークにおける前頭葉の果たす役割の解明を目的とした。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により同定された課題遂行中に活動する脳領域から構成されるネットワークについて検討し、前頭葉領域を神経活動不活性化したところ、課題遂行に影響が出ることが認められた。さらに、fMRIで同定された脳領域・ネットワークに対しての介入の適用を広げ、反応抑制ネットワークやメタ記憶ネットワークについて明らかにした。
神経科学
本研究は、fMRIにより同定された脳領域・ネットワークに対し、介入手法を組み合わせ、(1) 時間的文脈での出典記憶に関わる前頭葉の役割、(2) 反応抑制に関わる大脳ネットワーク、(3) メタ記憶に関わる大脳ネットワークについて明らかにした。これらは、記憶想起に関わる大脳ネットワークの作動原理など、さまざまな認知機能の関わる神経機構の解明につながると考えられる。また、これらの成果は、高次認知機能脳障害の診断や治療法の確立につながることが期待される。