受給者は転写因子であるAscl1のフェレット神経発生における役割を明らかにするため研究を行って来た。これまでに、子宮内電気穿孔法によるde novo 遺伝子ノックイン・ノックアウト法を開発し、報告して来たが最終年度においてはさらに、この技術の発展に力を入れて研究を行って来た。その結果、今までは細胞質におけるリークが起こってしまう田為、ノックインをする事が困難であったCreリコンビナーゼをAscl1遺伝子座にノックインする事に成功した。このことによりAsclが発現した事のある細胞系譜をラベルする事に成功し、Ascl1が発現している細胞の子孫がどのように振る舞うかを明らかにした。さらに、今まで十分に読まれていなかったフェレットゲノムを10xGenomics社のクロミウムにより詳細にシークエンスし、ゲノム情報の拡充に成功した。これにより今まで分からなかったAscl1の上流配列が明らかになり、その配列を使った遺伝子ノックインドナーの作成を行った。このことにより、Ascl1に蛍光タンパク質であるEGFPをフュージョンした遺伝子をノックインする事に成功した。更にノックインしたEGFP-Ascl1をタイムラプスする事により、初めてフェレットの内在的Ascl1の発現をモニタリングすることに成功した。
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