OPTN変異を持つALS(ALS-OPTN)の症例において、すでに知られているTDP43以外にタウやαシヌクレインの凝集がみられることを報告した。 神経炎症系のシグナルについては、多系統萎縮症の剖検脳におけるNLRP3インフラマソーム関連タンパクとOPTNの関連について検討し、NLRP3インフラマソーム関連タンパク陽性ミクログリアが病変部胃の変性の程度に応じて、増加することを報告した。また、初代培養細胞から確立したミクログリアでαシヌクレインフィブリルなどの凝集タンパクでの刺激を行い、ウェスタンブロッティングを行い、IL1beβが増加することを確かめた。また、初代培養細胞から確立したオリゴデンドロサイト前駆体細胞でαシヌクレインの取り込みがおこり、オートファジーのマーカーであるp62が増加していることを報告し、多系統萎縮症のモデルとなりうる可能性を報告した。 さらに、認知症の原因の多くをしめる疾患であるアルツハイマー病とALS-OPTNの顆粒空胞変性において、NFκBシグナルについて、検討したところ、活性型であるリン酸化p65がアルツハイマー病とALS-OPTNの海馬で凝集しており、疾患群で増加していることを確認し報告した。また、OPTNによって、NFκBを制御さしている直鎖型ユビキチンがアルツハイマー病で凝集していることを報告した。 このように、今年度は、OPTNの制御対象であるNFκBや神経炎症のシグナルががALSだけでなく、アルツハイマー病や多系統萎縮症でも亢進していることを裏付ける結果を報告した。
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