研究課題/領域番号 |
16K18403
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
樋口 裕一郎 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 研究員 (00596281)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝臓 / 肝芽細胞 / Ex-utero法 / Afp-TKマウス |
研究成果の概要 |
本研究では多能性幹細胞から肝細胞を分化誘導する方法として、マウス胎仔肝臓の発生メカニズムを利用した新規in vivo分化誘導技術の確立を試みた。マウス胎仔肝芽細胞においてヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼを発現するトランスジェニックマウス(Afp-TKマウス)を作製し、薬剤の投与依存的に胎仔肝芽細胞への障害を誘導できるモデルを確立した。障害を誘導したAfp-TKマウス胎仔肝にマウス肝芽細胞を移植すると、移植した肝芽細胞による肝臓の補完がおきることを確認した。以上の結果より、Afp-TKマウスを用いたin vivo分化誘導技術が、多能性幹細胞由来の肝芽細胞にも応用できる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
実験動物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓の主要構成要素である肝細胞は、新しい薬の効果を検証するための非常に重要なツールである。現在、ヒトの肝細胞はドナーの了承を得て提供されるものに限られており、個人差や有限性などに課題を抱えている。これらを克服しうるソースとして期待されるのが、ヒトiPS細胞より作製される肝細胞である。本研究では薬物の投与依存的に、胎仔期の肝臓に障害を誘導できる遺伝子改変マウスを新たに作製した。その肝臓に未熟な肝臓細胞を移植したところ、障害誘導された肝臓が移植細胞によって補完される現象を確認した。この技術をヒトiPS細胞に応用することで、より成熟度の高い肝実質細胞を作製できるようになるものと期待される。
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