本研究課題では、人工染色体を保持するマウス(Tcマウス)を効率よく作製するために、発生工学技術を応用した新規Tcマウス作製方法の開発を試みた。マウス人工染色体ベクターを保持する細胞を用いて、 (1)顕微受精技術を応用した微小核移植による作製法と、(2)体細胞核移植による作製法とについて検討を行った。方法(1)については未だ成功していないものの、方法(2)によりマウス人工染色体を保持するクローンTcマウスを得ることに成功し、その割合は7.1%であった。今後、体細胞核移植の成功率、クローンTcマウスでのマウス人工染色体の安定性については今後の検討が必要である。
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