研究課題
若手研究(B)
本研究では、正常造血幹細胞および白血病細胞を対象とし、ニトロcGMPの細胞内レベルを評価した。正常造血では、未分化性の高い細胞群と分化した細胞群とで比較をしたところ、分化した細胞群のほうがよりニトロcGMPレベルが高いという結果になった。また、スフィア培養系において、ニトロcGMPは濃度依存的にグリオーマ細胞の増殖を抑制した。
生命科学
一酸化窒素と活性酸素のシグナル伝達物質であるニトロcGMPと幹細胞性との関連や、がんに対する薬剤としての効果については今までよく知られていなかった。がん治療では、幹細胞様の性質をもった、いわゆるがん幹細胞の根絶が重要である。ニトロcGMPは、幹細胞様のがん細胞に対し増殖抑制効果を示した。薬剤としては改善が必要であるものの、誘導体の開発等により、がん治療への応用につながるものである。