研究課題
これまで我々は、血管新生バランス制御因子としてCUL3 (Cullin3)を同定している。CUL3は基質受容体であるBTBドメインを持つタンパク質(BTBP)と相互作用することで標的基質を認識し、主にリジン残基をユビキチン化することでタンパク質分解や機能変化を起こすことが知られる。今回我々は、ヒトで183種あると言われるBTBPのうち、血管新生に重要な役割を果たすBTBPとしてKCTDを同定した。さらにCUL3-KCTDが標的とする基質タンパク質を見出すために、無細胞タンパク質合成系を駆使したヒト2万タンパク質アレイを用いてスクリーニング実験を実施したところ、KCTDに直接結合するタンパク質としてRho活性制御タンパク質の同定に成功した。このタンパク質は、KCTDあるいはCUL3発現抑制により細胞内に蓄積すること、また過剰発現により血管新生が完全に阻害されることから、血管新生のnegative regulatorであることが判明した。生体内におけるKCTDの機能と血管新生における役割を明らかにするため、KCTDタンパク質を欠損させたマウスの作成を試みた。しかし全身性のKCTD欠損動物は胎生致死となるため、血管内皮細胞特異的にかつ薬剤誘導依存的に、KCTDを欠損できるコンディショナルノックアウトマウスの作成を進めている。本結果は、英語学術論文および学会を通じて発表し、今後も引き続き研究成果の発表を継続する予定である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
Biochemical and biophysical research communications
巻: 499 ページ: 17-23
10.1016/j.bbrc.2018.03.097
The Journal of cell biology
巻: 217 ページ: 1015-1032
10.1083/jcb.201606055
Cancer science
巻: 108 ページ: 1349-7006
10.1111/cas.13133
Scientific reports
巻: 7 ページ: 42845
10.1038/srep42845
Biology open
巻: 6 ページ: 1707-1719
10.1242/bio.029579
Journal of biochemistry
巻: 162 ページ: 237-245
10.1093/jb/mvx051
https://www.m.ehime-u.ac.jp/school/biochem2/
https://www.m.ehime-u.ac.jp/school/surgery2/